柿の栄養と効果について

柿

日本の秋の代表的な果物「柿」
以前は庭に柿の木があるお家も少なくなかったようですが、都市ではなかなか見つけることが出来なくなりました。
柿は栄養の宝庫。特にビタミンCやβーカロテンなどの強い抗酸化作用を持つビタミンが豊富です。

ビタミンC
柿は、1個で100mgほどの豊富なビタミンCがあります。
これは大人の一日摂取量の100gと同じで、1個で1日の所要量を摂取できるというわけです。
ビタミンCは強い抗酸化作用を持つのでシミ・そばかす・しわ・たるみなどの美肌対策や、疲労回復にも期待ができると言われています。

βーカロテン
βーカロテン(カロテノイドの一種)は体に入ると『ビタミンA』に変換されます。
カロテノイドは、活性酸素を除去しながら身体の抵抗力を高めて元気をつけ、病気を早く回復させてくれます。
風邪の予防はもちろん、老化・ガン予防にも効果が期待されています。
β-カロテンは、ビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分で、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため肌荒れなどに効果的です。
特に干し柿には、生柿と比較して約2倍のβ-カロテンを含んでおり、効率よく摂取することが出来ます。
その他、β-クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコピンなどのカロテノイドも含んでいます。

ペクチン
柿に含まれるペクチンはそのほとんどが水溶性です。
人の消化酵素では分解されないので食物繊維として機能し、整腸作用やコレステロール低下作用などがあります。
干し柿はペクチンの含有量が非常に豊富なため便秘予防に効果的です。
柿と牛乳を2対1の割合でミキサーでどろどろにし、冷やし固めると柿プリンができます。 ペクチンが多いからできるプリンです。

タンニン
柿が渋いのは、ポリフェノールの一種の渋味成分のタンニンという物質があるからです。
私たちが食べている甘柿や渋抜きした柿には、渋みを感じることはなくてもタンニンが含まれています。
タンニンは血液中にある毒素や悪玉コレステロールを減らし、血液の流れをよくする働きがあるため、体全体の新陳代謝が良くなると考えられています。

カリウム
カリウムを多く含むので「高血圧」や「むくみ」に効果的です。
体内の血液に含まれるナトリウムを、尿と一緒に排出する作用があるからです。
足がつる・疲れやすい・高血圧・不整脈・尿が出にくいこのような状態の時もカリウム不足があるかもしれません。
カリウムの成人摂取量の目安は、男性が2500mg、女性が2000mg。
柿100gに170mg、干し柿だと670mgもあります。

柿の食べすぎにはご注意
栄養素が豊富な柿ですが、食べすぎにはご注意ください。
タンニンやペクチンは便秘に効きますが、下痢にも効果があります。
柿には整腸作用のあるタンニンが含まれていて、食べると下痢止めになると昔から言われています。
しかし、下痢止めの効果のあるタンニンも摂り過ぎれば便秘になってしまいます。
また、ペクチンは水溶性の食物繊維で、便の中の水分を吸い取って便の硬さを調整してくれる機能があります。ただ、消化に時間がかかり、人によっては胃腸に負担をかけてしまうことがあります。柿は1日に1~2個くらいまでが適量です。

その他の注意点は?
• 食べ過ぎは、貧血になる可能性があります。
鉄とタンニンが結びつき、鉄分の吸収が妨げられることがあります。
• 食べ過ぎると、身体を冷やします。
ナトリウムを排出してしまうので、血中ナトリウム値が下がります。
漢方では「陰」の食物です。

【参考資料】https://lettre-du-nature.com/archives/3309

Related Posts