にんじんの栄養について

人参

にんじんには、西洋種と東洋種があり、ふつうに出回っているのは西洋種のほうです。

関西地方でよく食べられる 赤みの強い金時にんじんが東洋種のにんじんです。 また、お正月用として一部の地域に出回る、ごぼうのような長にんじんも東洋種です。

最近はミニキャロットという、ひとロサイズの可愛らしい西洋にんじんが人気を呼んでいます。

西洋種のほうが栽培が簡単で、栄養面から見ても カロテンの含有量が多いなどの特長があり、最近では東洋種の影がすっかり薄くなってしまいました。

金時にんじんは色が濃いので、一見ほかの品種よりカロテンが多く含まれているように見えますが、 あの赤さはアントシアンという色素によるもので、カロテン含有量とは関係ありません。

にんじんは甘みがあって美味しく、見た目も美しい野菜なので、和洋中と、あら ゆる料理に利用できる便利な食材です。生でもよし、煮ても妙めても、漬けてもおいしく食べられる、 まさに野菜の万能選手です。

特に油と相性がいいため、てんぶらやきんぴら、バターソテー などに最適です。

にんじんは、年間を通して 出回っていますので、特に旬はありませんが、秋から冬にかけてがいちばん味が良くなります。

買うときのポイントは、色が鮮やかで、首の部分に青みや黒ずみのないものを選ぶと良いでしょう。また、先端が割れているようなものも避けるようにしましょう。

保存はむれないよう に水気をよくふいて、冷蔵庫で保管します。冬は室温に置いても長期間保存することが可能です。

 

にんじんの栄養成分と効能

にんじんの栄養面では、緑黄色野菜の特徴であるカロテンの多さが特長の一つです。

にんじんのカロテンをビタミンAに換算すると、100g中4100IUもあり 、これは、1日の成人男子の必要量の2倍以上です。

しかもカロテンは、生で食べるよりボイルするより、油で調理した場合のほうが、ずっと吸収率がよくなるという利点がありま す。

ビタミン摂取は生にかぎると、せっせとにんじんサラダを食べている人は、考え方を切り替えたほうがいいかもしれません。

また、カロテンは皮の部分に多く含まれていますので、なるべく皮は捨てずに利用したいものです。

にんじん特有の甘みは、蔗糖とブドウ糖が含有されているからです。

カロテンのほかにもビ タミン類は、B1、B2、Cを少量含み、ミネラル類のカリウム、鉄、リンも豊富に含まれています。

このうち、カリウムは余分な塩分を排出して、血管の内と外の浸透圧を調節することで血圧を安定させ、一方の食物繊維には便通を良くして、腸内の発ガン物質など有害物を体外へ出す働きがあります。

ただ、ビタミンCを酸化させる酵素アスコルビナーゼを含んでいるので、大根おろしとまぜたりすると、せっかくの大根のビタミンCが破壊されてしまうので注意しましょう。

根だけでなく、葉の部分にも栄養素が豊富に含まれています。たんぱく質は根の3倍、カルシウムは根の5倍、 脂質、含水炭素、鉄分などいずれも根より葉のほうが豊富に含まれています。

スーパーなどで は葉つきのものは手に入りませんが、有機野菜を売る店などで手に入れた場合は、ぜひ捨てずに食べたいものです。きざんでしょうゆ煮にしたり、妙め物や揚げ物にもよく、や わらかい若葉は、さっとゆでておひたしにしても、おいしく食べられます。

にんじんを常食することで、かぜなどの細菌感染の予防になります。これはにんじんに含 まれるカロテン(ビタミンA)が、のどや鼻の粘膜を丈夫にし、細菌に対して免疫力を高める効果があるからです。またカロテンには、血圧を低下させる効果があることも知られていま す。

カロテンに抗ガン作用があるともいわれています。これはビタミンAが、体内の物質の酸化や変質を防ぐ働きがあるからです。

また、にんじんに含まれているリボフラビン(ビタミンB2)や葉酸にも 、抗ガン作用がありますので、毎日食べていれば、ガンの予防に効果を発揮します。

にんじんに含まれるビタミンAは、夜盲症(トリ目)を改善し、視力の強化に役立ちます。また、肌をなめらかにする効果があります。

ビタミンAは、血中の脂肪が酸化することを抑えますので、高脂血症のある慢性肝炎に効果を発揮します。

ビタミンAと鉄分は造血作用を促進させ、血行をよくするので、貧血ぎみの方は たくさん食べるようにすると良いでしょう。

冷え性の方も、常食すると体が温まる効果を得られます 。にんじんの補血効果は、虚弱体質の人や疲労回復にも効力を発揮します。

ただし、多量に食べすぎる と、手や顔が黄色くなることがあるので注意して下さい。

葉を青汁にして飲めば、貧血の改善 にはいっそう効果が高まります。にんじん葉だけでは飲みにくいので、小松菜や大根葉などとともに、果物を加えて作ると良いでしょう。

にんじんに含まれるビフィズス因子は、腸の 働きを助けるといわれていますので、便秘の人は、毎朝コップー杯のにんじんジュースを飲む習慣をつけると効果的です。

また、胃にもやさしい野菜ですので、ゆでたものや裏ごししたものは、胃腸が弱っているときには最量の食べ物の一つです。

【参考資料】http://kenkou-tabemono.info/index.php?%E3%81%AB%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%93%E3%81%AE%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%80%81%E5%8A%B9%E8%83%BD%E5%8A%B9%E6%9E%9C

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